フィッティングは、フレーム選びの時点から始まっている


フィッティングは、フレーム選びの時点から始まっている_d0068023_1393888.jpg



     今日は肌寒いですね!我慢していましたが、我慢しきれず
     電気ストーブを点けました。

     さて、3月末にメイクイベントで来て頂いたSATSUKIさんとの
     話題に上ったことなのですが。

     「メガネの展示会へ行ったことがあるけれど、どうして男性はもっと
      楽しく仕入れしないのでしょう?」
とSATSUKIさん。
     女性は、わー!可愛い!とか綺麗!とかテンション上げて楽しく
     見ているのに反して、男性は「この材質は?この構造は?」と
     難しい顔をしてメーカーさんへ質問するだけだ、と。

     あ、その男性はまさしく私です(笑)

     それは何故か。。。それは、その人がプロだからです。
     フィッティングや加工の技術と知識を持っているメガネ屋さんなら、
     一番気になるのはお客様のお顔に乗せる時、フレームのどこが
     どう動かせるのか、ということです。

     素人の方はきっと、フレームはどんな物でも開いたり狭くしたり
     上げたり下げたり曲げたり出来ると思っておられるのではないで
     しょうか?

     30年くらい前なら、そうでした。デザインが画一的で、でも作りは
     しっかりしていてヨロイ(テンプルの付け根)もテンプル先も
     調整が可能。クリングスアームも太くてロー付けも強かった。
     ただ、残念なことにそれを生かす技術が私に無かったのできっと
     その当時のお客様には不便をお掛けしたことだろうと、反省します。。

     でも、今は違います。材質もデザインも多様で、私たちメガネ屋が
     よくよく考えて仕入れなければいけない時代になりました。
     それは、フィッティング出来ないフレームは「悪い」という意味では
     ありません。
     
     おそらく、私たち小売店よりもデザイナーさんやメーカーさんは、
     作る時点でデザインとフィッティングの狭間で一番悩んでいるはず
     です。そういう努力の下に出来たフレームを、小売の私たちはお客様の
     お顔に乗せる事を想像しながら・・・

     このフレームは、材質やデザインから加工に際してどんなことを考慮して
     作らなければいけないのか?
     顔幅の広い方にフィッティング出来そうか?
     傾斜角が変えられない構造の場合は、最悪邪道でもテンプルのコマで
     少し変えられそうか?
     テンプル先は、どの辺りまで調整出来そうか?屈折点をきちんと出せ
     そうか?出来れば、しのみが付けられたら最高だが。。。

     などなどなど・・・何十項目にも及ぶことを一気に考えながら、どの作品を
     仕入れるか短時間で決めなければいけません。
     ですので、自然、眉間に皺が寄る訳です(笑)

     本当は、そんなことを考えないで「わー!」「キャー!」の世界で仕入れが
     出来たらどんなに幸せなことだろう、と思います。
     でも、逆に言うと「わー!」「キャー!」で仕入れる方はプロではありません。
     加工やフィッティングの知識も技術も無いか、もしくはデザイン重視で
     フィッティングを無視するかのどちらかです。

     デザイン重視のお店があっても、それは仕方が無いと思いますが
     (人それぞれなので。) 困るのは掛けるお客様です。
     ですから、私の仲間たちは悩みます。皆、とことん考えて仕入れを
     決めます。 ブログに作品を紹介する際には、デザインや生地や
     そんなお話しかしませんが、実は仕入れる影にはそういう悩みを
     乗り越えて?選んでいる小さな努力があるのです。

     ユーザーの方々へ、ひとつだけアドバイスです。
     試し掛けしたフレームの掛け心地が悪い時、お店のSTAFFさんが
     どこも確かめずに「掛け具合は直せますよ!」と言ったら、その人は
     プロではありません。

     プロなら、きちんとその方のパット位置や幅や耳の後ろを確かめ、
     フレームの構造を確かめて、例えば
     「このフレームは、ここをこうすれば掛け心地良くなります。」
     とか、
     「このフレームは、ここが動かせないのでこのパーツで対応します。」
     とか、最悪
     「このフレームは、こことここが動かせないのでお客様には合いません。」
     と、伝えてくれるはず。

     ですから、顔も見ずに販売して、挙句
     「物が良いので、どこの眼鏡店でもタダで直してくれます。」
     なんて書いてあるサイトが、いかに無責任かお分かりでしょう。
     問題は、物の良し悪しだけでは無いのです。

     「う~~ん>< すっごくお客様へオススメしたいデザインなのに、
      ココとココが動かせない>< デザインを取るかフィッティングを
      取るか~~><」 という呻き声が、仕入れ会場のあちこちに
      聞こえるのは、プロとして当たり前のことなのです。





     
Commented by マコト眼鏡 at 2014-05-07 16:56 x
御意!!(社長)
Commented by primaatsuko at 2014-05-07 20:43
☆マコトさんの社長さん
ありがとうございます~~^^ 社長にそう言っていただけると
すごーくホっとします(笑)
by primaatsuko | 2014-05-07 16:05 | メガネもしかして「へぇ~!」 | Comments(2)

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